ムシ歯は甘いものを食べたり歯を磨かなかったりしたからから出来るものではありません。もちろんそれもムシ歯の出来る原因の1つですが、甘いものを食べることで口の中にいるムシ歯の原因菌が糖分を分解したときに出る代謝物(うんちやおしっこ)が歯を溶かして出来る立派な病気なのです。
この菌はもともと口の中にいた訳ではなく生後、親や兄弟など一緒に生活する人から感染します。
歯が生えそろう3歳くらいまでに口の中の菌の状態は決まってしまいます。
それだけに大人が1度口の中に入れたりしたものを与えたり、同じ箸やスプーンなどを使わないように気を付けてあげたいものです。
ムシ歯の進行は1度から4度まであり学校検診などでC1・C2などと書いた紙をもらうと思いますが数字が大きいほどムシ歯が進行していることをあらわします。 たとえC1であっても初期のムシ歯であることは間違いないので早めに歯科医院に行って処置をしてもらう事が大切です。
ムシ歯の進み方と治療について
C1(カリエス1度)
歯の表面が溶ける。見た目が少し茶色くなって来る。
自覚症状はまったくありません。
フッ素入りの歯磨き剤などを使用して丁寧なブラッシングを心がけ、食事などにも注意するとまた再石灰化して来ます。
う喰C1治療例
表面を掃除して、予防薬を充填します。
表面を掃除して、予防薬を充填します。
溝の部分をきれいにしてシーラントという予防の薬を入れます。
C2(カリエス2度)
時々、甘い物や冷たい物がしみるかな?と言う感じです。
まだ初期の段階なので短期間で治療が終了します。
う喰C2治療例
悪くなった部分を切削って型を採って埋めます。保険で埋める場合は銀歯になりますが保険適用外のセラミック素材だと見た目も綺麗で身体にも優しいです。
C3(カリエス3度)
冷たい物も熱いものもしみて、咬むのも痛くなりしばらくするとずきずきする痛みがでてきます。
こうなると歯の神経を取らないといけなくなります。
神経を取った歯は中を十分に消毒して(約1~3回くらい)薬を詰めます。その後は歯の補強のために冠を被せたり、金属やレジンでふたをしたりします。
う喰C3治療例
クラウン
C4(カリエス4度)
完全に歯の頭が溶けて歯茎が腫れたりすることもあります。
抜かないといけない場合もありますが、状態によっては、なかを十分に消毒して(3~5回位)薬を入れて土台を作り上から冠を被せて元に戻す事も出来ます。
う喰C4治療例
根っこの治療が終わったら、C3の時と同じように土台を入れて上からかぶせ物を入れます。
もし歯を抜かなければならなくなったら
もっと症状が悪化した場合、どうしても歯を抜かざるを得なくなる事があります。
大人の歯は一度抜いてしまうと、もう元には戻りません。
当医院では従来の入れ歯の他、最新のインプラントまで様々な治療が可能です。患者さまのお口の状態、ライフスタイル、費用など、十分にご相談させていただきながら進めてまいります。
ムシ歯を予防するには、プラークコントロールが大切です。
ムシ歯を予防するには、プラークコントロールが大切です。(プラークとは、歯に付いた汚れ 細菌層のことです。)それ以外にも普段から規則正しい生活と、バランスの取れた食事やブラッシング、歯科医院による定期健診を受ける事をお勧めします。自分では磨いているつもりの歯も、意外と磨き残しがあるものです。“磨いている”のと“磨けてる”のは違うのです。
磨き残しがあるとプラークの中の細菌が歯ブラシでは取れない頑固なバイオフィルム(細菌の層)となってしまいます。そうならない為にも歯科医院でのPMTCをうけておくと安心です。
PMTCとは

プロフェッショナル(プロの衛生士による)

メカニカル(機械を使った)

トゥース(歯の、お口の)

クリーニング(清掃)
の意味です。歯ブラシだけでは落としきれない歯のいたるところの汚れ着色などを落とし、歯茎のマッサージ、歯面の研磨、ムシ歯予防のためのフッ素塗布まで、痛みを感じることなく、個室でリラックスした雰囲気で行います。
PMTCで得られる効果は?

虫歯の予防口腔内の細菌を減少させ、歯垢が再付着しにくくなります。

歯周病の改善口腔内の歯周病菌を減少させ、歯肉炎を改善します。

口臭予防口腔内の菌の減少により口臭も軽減します。

歯質の強化フッ素を用いる事で、歯の再石灰化を促し、歯質を強化します。